オンラインでのプライバシーを守る上で、Cookieの管理は非常に重要です。多くのWebサイトがCookieの使用に関するポップアップを表示し、ユーザーに同意を求めますが、これに安易に応じることで、行動履歴や個人情報が収集され、広告や第三者による追跡に利用される可能性があります。
本記事では、Cookieをブロックする方法と、それによるメリットについて解説します。
Cookieとは何か?
Cookieとは、Webサイトがユーザーの端末に保存する小さなデータファイルで、閲覧履歴やログイン情報などを記録します。
Cookieには主に2種類あります:
- ファーストパーティCookie:
ユーザーが現在閲覧しているWebサイトが直接発行するCookie。ログイン状態の維持やカート情報の保存など、利便性を高める目的で使用されます。 - サードパーティCookie:
閲覧しているWebサイトに埋め込まれた、他のドメイン(たとえば広告ネットワークなど)が発行するCookie。複数のWebサイトを横断してユーザーの行動を追跡し、ターゲティング広告や分析などに利用されます。
とくにサードパーティCookieは、ユーザーの行動を把握する目的で広く使われており、多くのWebブラウザやツールではこれを制限するための設定が提供されています。
一部のCookieは利便性向上に寄与する一方で、広告配信や閲覧傾向の分析などに利用されることもあり、利用目的によっては注意が必要です。
各WebブラウザでサードパーティのCookieをブロックする手順
主要なWebブラウザでは、それぞれ異なる方法でCookieのブロック設定が可能です。以下では、Google Chrome、Microsoft Edge、Firefox、Safariの4つのWebブラウザにおける設定手順を紹介します。
また、ブロック設定を行った後は、すでに保存されているCookieを削除することで、以前の追跡情報やログインデータをクリアにし、より確実に制限を反映させることができます。
Google Chrome
- 右上の3点メニューから「設定」を開く。
- 「プライバシーとセキュリティ」>「サードパーティ Cookie」の順でクリックする。
- 「サードパーティの Cookie をブロックする」を有効にする。
- 「閲覧トラフィックと一緒に「Do Not Track」リクエストを送信する」を有効にする。これは、Webサイトに対して「ユーザーを追跡しないでほしい」というリクエストを送る設定です。ただし、このリクエストに従うかどうかはWebサイト側の判断に委ねられており、効果には限りがあります。とはいえ、利用者側の意図を明示することには一定の意味があり、対応しているサイトでは追跡を抑制できる場合もあります。
- 「すべてのサイトデータと権限を表示」の「すべてのデータを削除」をクリックする。
既存のCookieが削除されます。
Microsoft Edge
- 右上の3点メニューから「設定」>「プライバシー、検索、サービス」>「Cookie」の順でクリックし、「サードパーティの Cookie をブロックする」を有効にする。
- 「プライバシー、検索、サービス」に戻り、「追跡防止」をクリック後「厳重」を選択する。
- 「プライバシー、検索、サービス」に戻り、「閲覧データをクリア」から既存のCookieを削除する。
Mozilla Firefox
- 右上の3本線メニューから「設定」>「プライバシーとセキュリティ」の順でクリックする。
- 「強化型トラッキング防止機能」欄で「厳格」を選択する。
- 「ウェブサイトのプライバシー設定」欄の「ウェブサイトに “Do Not Track” 要求を送る」を有効にする。
- 「Cookieとサイトデータ」の「データを消去」から既存のCookieを削除する。
Safari(Mac)
- メニューバーから「Safari」>「設定」>「プライバシー」の順でクリックする。
- 「サイト越えトラッキングを防ぐ」を有効にする。
- 「Webサイトデータを管理」から既存のCookieを削除する。
AdLockでCookieとトラッカーを一括ブロック
各Webブラウザごとに設定を変えるのが面倒な場合は、AdLockのような専用ツールを使うのが有効です。AdLockは、Cookieだけでなくトラッカーや広告もまとめてブロックし、すべてのWebブラウザで一貫した保護を提供します。インストールするだけで、Webブラウザ個別の設定は不要です。
オンラインプライバシーを守るための追加のヒント
Cookieのブロック設定だけでは防ぎきれない情報のやり取りも存在します。ここでは、より安全で快適なWeb利用のために役立つ補助的な対策を紹介します。
- プライベートブラウジング:
各Webブラウザには、一時的に履歴やCookieを保存しない「プライベートブラウジング」機能があります。
Chromeでは「シークレットモード」、Edgeでは「InPrivate」、FirefoxやSafariでは「プライベートウィンドウ」など名称が異なりますが、いずれもセッション終了時にCookieが自動で削除されます。 - トラッキング拒否の有効化:
Webサイトに対して「追跡を希望しない」旨を伝えるリクエストを送信する設定です。すべてのWebサイトが従うわけではありませんが、対応しているサービスでは広告や分析の対象から外れる可能性があり、ユーザーの意思表示として有効です。 - Cookieの定期的な削除:
Webブラウザに保存されているCookieを定期的に削除することで、過去の閲覧履歴に基づいた追跡やターゲティング広告の影響を軽減できます。特定のサイトに長くログインし続ける必要がない場合は、数週間おきに削除するのが効果的です。 - VPNの使用:
VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用すると、通信が暗号化されるだけでなく、IPアドレスがマスクされます。これにより、Webサイト側からの位置情報や識別情報の取得を防ぎ、トラッキングのリスクをさらに低減できます。 - WebブラウザとOSのアップデート:
WebブラウザやOSのアップデートには、セキュリティ対策やプライバシー保護機能の強化が含まれています。常に最新版を使用することで、最新のトラッキング手法にも対応でき、より安全なブラウジング環境を維持できます。
よくある質問(FAQ)
Cookieのブロックや削除に関する操作は初めてだと迷いやすいものです。ここでは、実際によくある疑問や確認しておきたいポイントについて簡潔に解説します。
Cookieをすべてブロックすると問題はある?
一部のWebサイトでは、ログインやカート機能などが正常に動作しなくなる場合があります。「サードパーティのCookieのみブロック」するのが現実的な対策です。
Cookieはなぜ重要なの?ブロックすべき?
ファーストパーティCookieはサイトの利便性に寄与しますが、サードパーティCookieは追跡目的で使われるため、プライバシーを重視するならブロックすべきです。
AdLockのようなツールを使う価値はある?
はい。Webブラウザの設定だけではカバーできない領域を保護し、より高い匿名性と快適な閲覧環境を実現できます。
最後に
Cookieの取り扱いは、利便性と制御のバランスを取ることが重要です。完全にブロックすることで一部のWebサービスに支障が出る場合もありますが、サードパーティのCookieを制限し、自身の閲覧データを見直すことで、不必要な追跡や情報の蓄積を防ぐことができます。
Webブラウザの設定に加え、専用ツールの活用や定期的な見直しも含めて、ユーザー自身の判断で安心できるインターネット利用環境を整えていきましょう。
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